原発を抱えた佐賀県玄海町で、「核のごみ」最終処分場選定の「文献調査」受け入れを求める動きが表面化した。請願を出したのは町内の主要な業界団体で、町議3人が紹介者となった。これまで文献調査に慎重な態度を取ってきた脇山伸太郎町長の判断が注目される。
「立地自治体の責務がある」。文献調査に前向きな町議の一人は、朝日新聞の取材にこう答えた。「安全性は調査しないと分からない。人任せでは最終処分場の問題は進まない」
今回請願を出したのは、町旅館組合、町飲食業組合、建設業者でつくる町防災対策協議会。川崎隆洋・飲食業組合長は「飲食業界は厳しい状況が続いている。これまでも町に食事券発行などの支援策をお願いし続けてきた。今回もその一つだ」と話し、文献調査が業界の生き残り策の一環だと説明した。
原発の近くで宿泊業を営む50代男性は「こちらは原発で成り立っているようなもの。観光だけではとても経営は成り立たない。最終処分場ができるとしても何十年も先。どっちみち誰かが町に入ってきてくれる」と好影響を期待する。
地元には懸念の声も 佐賀知事はこれまで「受け入れ用意ない」
人口約4900人の玄海町に…