ヘルシンキの公共シェルター内にあるフィールドホッケー場=2024年5月27日、ヘルシンキ、牛尾梓撮影

 ウクライナ侵攻を続けるロシアと1300キロにわたり国境を接する北欧フィンランド。2度にわたって旧ソ連の進軍を許した歴史が、「備え」として市民生活に色濃く反映されている。その一端が、首都ヘルシンキの地下空間に広がっていた。

 ヘルシンキ中央駅から北に1キロほどの場所にあるハカニエミ地区。映画「かもめ食堂」のロケ地にもなった、カフェや市場が軒を連ねるのどかな港町だ。そこに、ガラスに囲まれ、地下へと続く階段があった。

 深さ20メートル。フィールドホッケー場やカフェ、フィットネスジムなどが並び、多くの人が集っていた。だが、有事になれば、目的は変わる。

 核攻撃を想定したシェルターだ。

 「有事の際、まずここに避難…

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