広島県議会の議会運営委員会で示された核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を日本政府に求める意見書案=2024年12月19日午後8時16分、広島市中区、興野優平撮影

 長崎県議会は20日、日本政府に対して核兵器禁止条約への署名・批准を求める意見書案を全会一致で可決した。一方、広島県議会は今月、条約の締約国会議へのオブザーバー参加を政府に求める意見書案の提出を見送った。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞で核問題への関心が高まるなか、被爆地の対応が割れた。

 長崎県議会の意見書は、議長を除いた全会派の計45議員が連名で提出。被爆80年の節目を来年に控え、日本被団協がノーベル平和賞を受けるなど「核兵器廃絶に向けて大きな転機を迎えている」としたうえで、戦争被爆国・日本のリーダーシップが強く求められていると指摘。署名・批准までの間もオブザーバーとして締約国会議などに参加するよう強く求めた。

 長崎県議会では2020年にも、政府に署名・批准を求める意見書案が採決されたが、自民と公明が反対して否決された。今回は「80年の節目も迫り、ノーベル平和賞の受賞もあった。各地での採択も広がり状況は変わった」(自民県議)などとして可決された。

 一方、広島県議会では10日の議会運営委員会で、公明党が提案したオブザーバー参加を求める意見書案が示されたが、最大会派の自民議連が反対。全会一致が原則のため、本会議への提出に至らなかった。県議の一人によると、「政府方針や自民党の政策はそこまで踏み込んでいない」などというのが反対の理由だったという。

 ある県議は「被爆地・広島県…

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