春日寄席を主催してきた丹羽久子さん。手にしているのは開催回数などを記したノート=大阪府茨木市春日4丁目、瀬戸口和秀撮影

 大阪府茨木市出身の人気落語家、桂吉弥さん(54)が地元の民家で続けてきた「春日寄席」が、4月で幕を閉じる。その歴史は約27年。自宅を開放し、寄席を主催してきた丹羽久子さん(85)が、500回目の節目を迎えるのを機に決めた。「ここまで続けられるとは思っていなかった」と話す。

 春日寄席が始まったのは1998年5月。吉弥さんが、大師匠の故・桂米朝さん宅での内弟子修業を終えたばかりのころだった。吉弥さんの母親と親しい丹羽さんが、「人前で演じる経験を積めるように」と、まだ出番の少ない吉弥さんのために、自宅を寄席の場として提供したのが始まりだった。

 二つの8畳の和室をつないで、座卓で高座をつくった。初めてのお客さんは、家族や友人ら10人ほどだった。

 続けていくうちに、評判はだんだん広がっていく。50人ほどの席に、お客さんが入りきれなくなった。1日1回だった公演の数を増やし、今では年に計8日、24公演までになった。

 チケットの準備などは、丹羽…

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