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10日12時20分現在の、九州北部の雨雲の動き=気象庁ウェブサイトから

 九州では8月8日から11日にかけ、大雨特別警報が鹿児島県と熊本県の計8市町で相次ぎ発表された。停滞する前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、過去に大雨をもたらしてきた、梅雨末期に見られるような気圧配置となった。なぜ、こうした大気の状況が生じたのか。

 気象庁によると、九州付近には8日ごろから前線が停滞し続けている。これまで日本に猛暑をもたらしていた大陸側のチベット高気圧と海側の太平洋高気圧が勢力を弱める一方、北海道より北寄りを流れていた偏西風が南下。二つの境目にあたる日本上空で前線がはっきり現れたという。

 この前線に向かって、非常に暖かく湿った空気が断続的に流れ込み、活動が活発化した。日本の南から太平洋高気圧の縁をまわって流れ込む湿った空気に加え、中国の奥地から大量の水蒸気が西風に乗って「大気の川」のようになって日本に押し寄せ、次々と線状降水帯が発生した。

 このような気象条件は、「九…

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