大阪市福島区から大阪府高槻市へ移転する「関西将棋会館」。12月3日のグランドオープンを心待ちにしていたバーがある。
パチ、パチ……。新会館から歩いて1分ほど。「将棋bar ルゥク」の扉を開けると、駒音が聞こえてきた。店内のカウンターに将棋盤がずらりと並び、向かい合った店員と客が対局していた。
「お客さん強なったから、もう勝たれへんかもしれないです」
「そこ置かれると、困りますねえ」
パチ、パチ……。カラン。パチ、パチ……。駒音の合間を縫うように、グラスに氷が当たる音が響く。
バーはもともと、旧会館があった福島区で営業していた。だが、会館が高槻市に移転することを受け、2023年2月、建設予定地の目の前で新しく営業を始めた。
「将棋会館の目の前という最高の舞台で店がやりたかった」。店主の福間貴斗さん(38)は移転の理由をそう語る。
福間さんは11年の夏までプ…