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六回表阪神2死二塁、逆転2点本塁打を放ち、声を上げる森下=上田潤撮影
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 (29日、プロ野球 阪神タイガース3―2広島東洋カープ)

 これぞ4番打者の一発だった。

 1点を追う六回2死二塁、阪神の森下翔太は、1ボールから積極的にバットを振った。内角直球を捉えると、打球は左翼席へ吸い込まれた。逆転2ランに「少しバットの先だったけど、角度がすごく良かったので入ってくれてよかった」。

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 感情を表に出してプレーする。それは3年目で「チームの顔であり、核」と考える打線の真ん中を任されても変わらない。「打てなかった時はたたかれたり、プレッシャーを感じたりすると思うけど、それが野球。すごく面白いんじゃないか」。

 24歳ながら、重圧を楽しむ余裕すらあるのは、あらゆることを「想定内」にできているからだ。

 あの回は1番から始まる攻撃で、自分に回ってくるなら好機と予想していた。広島の先発、床田寛樹が「内角に制球よく直球を投げ込む」ことも織り込み済み。「あとは自分のバッティングをするだけ」だった。

 ダイヤモンドを一周する時は喜びを爆発させたが、試合後は淡々と報道陣の問いに答えた。「まだ始まったばかりなので」。切り替えのうまさに、早くも4番の風格が漂っていた。

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