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 東京・日本橋にある兵庫県洲本市のアンテナショップ「日本橋室町すもと館」で、同市の食品製造・販売会社「浜田屋本店」とシンガー・ソングライターの森山直太朗さんがコラボ開発した万能スパイスだれが、今年3月の発売以来、人気を集めている。

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兵庫県洲本市のアンテナショップ店頭に並ぶ「香辛丸ゾース」=東京都中央区日本橋室町4丁目、藤本久格撮影

 「万能スパイスだれ 香辛丸ゾース」(115グラム、税込み799円)。全国のおいしい食材を取り上げたテレビ番組で、淡路島特産のタマネギをベースにした浜田屋本店の「淡路島ソース」を森山さんが絶賛したことがきっかけ。

 森山さんは無類のカレー好きで知られ、自ら調合したスパイスを「香辛丸」の名前で自分のオンラインショップなどで販売するほど。森山さんのファンがSNSで「香辛丸と淡路島ソースのコラボをしてください!」と呼びかけたことから、浜田屋本店が森山さんに開発を持ち掛けた。

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「香辛丸ゾース」を使った料理=浜田屋本店提供

 店側は専務の濱田智基さん(37)が窓口となり、全国ツアー中の森山さんに試作品を届け、約2年がかりで完成させた。森山さんと相談し、食感を残したタマネギに具材感のあるニンニクを加えるといった工夫をこらした。

 濱田さんは「森山さんのスパイスのうまみを生かすことに苦労した」。約10回に及ぶ改良で、森山さんの事務所側からは「本人も大絶賛」と太鼓判をもらった。

 ドロッとしたたれをスプーンですくえるよう、容器は口が広いジャム向けの瓶を採用。商品名も森山さんの遊び心ある提案で、「香辛丸ソース」に濁点をつけて「香辛丸ゾース」に決めた。

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「万能スパイスだれ 香辛丸ゾース」=浜田屋本店提供

 東京のアンテナショップでは、土日を中心に1日5、6個と、調味料としては異例の販売数。都市部の高級スーパーでの取り扱いもあり、全体の売り上げは他の調味料に比べて1桁多い、月1千個前後を数えるという。

 濱田さんは「森山さんのネームバリューに加え、おいしさでも勝負できる万能スパイス。息の長い商品として売り込んでいきたい」と話している。取扱店で香辛丸ゾースを使ったレシピをポップにして紹介するなど、販路拡大に努めている。

 ちなみに森山さんのイチ推しの食べ方は、香辛丸ゾースをスプーンひとさじ加えた、卵かけご飯だという。

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