玉切りした被害木を調べる林業関係者=2025年7月24日、岩手県大船渡市、東野真和撮影

連載「大船渡山林火災半年」#中

連載「大船渡山林火災半年」#上

 市面積の約1割に延焼し、1964年以降で最大規模となった岩手県大船渡市の山林火災は、26日で発生から半年。この間、国が出火原因や延焼拡大の要因について検証し、防災上の課題や教訓が浮かび上がってきた。焼け跡は今も山に深い傷を残す一方で、山林や地域再生に向けた歩みが始まっている。

 2月26日のほか同月19日にも出火し、市面積の1割を超す計3694ヘクタールに延焼した岩手県大船渡市の山林火災。今後の山林復旧には、多くの困難が待ち受けている。

 延焼した3694ヘクタールのうち、約1500ヘクタールの天然林の再生は自然に任せ、約1700ヘクタールの人工林が復旧事業の対象となる。焼け落ちた山林を放置すれば、「雨滴が直接土壌に落ち、土砂災害(の発生)にも影響するので、再造林しなければならない」(森章・東大教授)。

 まず市は「百数十者」(市農林課)とされる所有者の意向確認を急ぎ、年度内に復旧事業計画をまとめる方針だが、意向が確認できたのは市有地や共有地を含め5者分、約120ヘクタールにとどまる。

 「復旧計画の中身は」

 「これから具体的に作る」

 「ネックは」

 「事業期間が一番の課題だ」…

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