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 少人数で奏でる吹奏楽「全日本アンサンブルコンテスト」の高校の部で、全国各地を代表する22校が、それぞれの音の世界をホールいっぱいに描いた。

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全日本アンサンブルコンテストの前半の表彰式=2025年3月20日、福井県立音楽堂、高山顕治撮影
  • 東海大高輪台高、八王子高などに金賞 全日本アンサンブルコンテスト

荘厳な音色、全22校の演奏レビューを会場から

 20日午前9時10分。最初に福井県立音楽堂の舞台に上がった東海大高輪台(東京)の木管八重奏は、芸達者な8人が難度の高い曲を軽快に、そして楽しそうにうたい上げた。

 クラリネットを起点に、流れるようなパッセージを正確に受け渡していく。演奏していない時間も笑顔を浮かべ、楽器同士の対話を楽しんでいるような好演で、金賞に輝いた。

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東海大高輪台=福井県立音楽堂、高野良輔撮影

 部長でフルートの仲田早希さん(2年)は「曲のイメージを統一するため、写真を共有したり、マーチングの経験を生かして体を大きく動かして見せ場をつくったりと工夫した。人の心に届く音楽ができたと思う」と話した。

 続く八王子(東京)は打楽器八重奏で、ドートリーの「蛍」を演奏。半音で上下に移ろう響きの中、マリンバなどのトレモロのメロディーをゆらぐ光のように浮かび上がらせていた。

 全員の音が途切れるときに、中空に放つように残響を残すところが印象的な演奏。堂々の金賞に輝いた。

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八王子=福井県立音楽堂、高野良輔撮影

 富山南(富山)のサクソフォン四重奏は、うたい上げる部分でのソプラノサックスの音色の変化が見事。4人の音のつぶやくような対話から、豊かな響きの和声進行も聞かせた。終盤のフィナーレも正確なリズムで奏で、銀賞を受けた。

 テナーサックスの魚谷眞代さ…

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