14日のロッテ戦の全体練習前にロングティーを行い、快音を響かせていた楽天の浅村栄斗

 (14日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス4―0千葉ロッテマリーンズ)

 2千安打までカウントダウンに入っていた楽天・浅村栄斗の快音が止まったのは、一つの死球がきっかけだった。

 4月26日にあったソフトバンク戦の五回だった。

 左足の太もも付近に投球を受け、もんどりうつようにグラウンドに崩れ落ちた。

 西武時代の2015年8月8日から試合に出続ける、パ・リーグ記録の連続試合出場が途切れるかに思えた。

 だが、翌日も、本拠地での試合の全体練習前にいつもこなしているロングティーに臨み、患部の状態を確かめた後、試合に出た。

 ただ、その代償は小さくなかった。

 偉業達成まで残り9本としてから打棒が止まる。

 4月29日の試合から7試合続けて安打が出なかった。

 35打席続けて安打を打てず、自己ワーストを更新。プロ17年目の屈辱だった。

 「焦ることもある。自分のスイングができていないから、それも原因の一つ。いろんなところがかみ合わない感じですね。いろんなことを考えながらやっていますけども、全部、うまくいかない。そんな感じですね」

 そう、こぼした夜もある。

 だが、打順が3番から7番に下がった今月9日、ビジターであった日本ハム戦で安打を放ってから、余裕を持てるようになったという。

 「北海道で1本、久しぶりに出てからは気持ち的には、だいぶ楽に打席に入っています」

 この日は二回に右前におっつけると、四回は左翼線へ二塁打。五回は再び右前に落とし、本塁打をのぞけば、4月17日以来のタイムリーとなった。

 また、この日の七回には通算1500三振を記録した。過去に14人。最多をゆく大阪桐蔭高の先輩、中村剛也(西武)のようにスラッガーでなければ残せない数字とも言える。

 浅村は「うれしくはない」と何度も口にしながら、振り返った。

 「途中交代があんまりない中で、1試合4打席以上(出させて)もらってきた中での1500三振なので。試合に出させてもらって打席を与えてもらっている結果かなと」

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 そして、平成生まれでは初となる2千安打へ向かう。

 「今日みたいにポンポンポンって出る時もあれば、30何打席出ない時もある。本当、1本打つ難しさが身に染みて、今年、特に感じています。残り3本ですけど、1本ずつ、また明日からやりたい」

 そう言ったあと、気負わずに続けた。

 「2千本で終わりじゃないので、あんまり2千本と思わず、1本でも多く打てるようにと思っています」

 いっときは失っていた柔らかな表情が戻ってきた。

5カードぶり勝ち越し

楽天が5カードぶりの勝ち越し。来日初登板のハワードが7回無失点で勝った。打線は二回の小深田の先制打などで援護。ロッテは5連敗。

ハワードが来日初勝利

 ハワード(楽) 来日初登板は7回を無四球、無失点で勝利。「ストライク先行でとにかく打たせようと試みた。(バックが)守りで助けてくれた」

 三木監督(楽) 浅村について「痛い、かゆいを言わないタイプ。今日、結果が出たので、ほっとするんじゃないかな」。

 ▼浅村(楽)が通算1500三振 14日のロッテ戦の七回、見逃しで記録した。プロ15人目。初三振は西武時代の2010年4月18日の日本ハム戦(西武ドーム)で武田久から。

浅村栄斗の2千安打達成を盛り上げるため、本拠の楽天モバイルパーク宮城に掲げられている「浅メーター」。14日のロッテ戦で3安打を放ち、「1997」になった=仙台市
五回裏楽天無死二、三塁、適時打を放つ浅村栄斗=日刊スポーツ

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