(6日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス5―0千葉ロッテマリーンズ)
日が傾き、春の陽光もすでに差し込まなくなっていたゾゾマリンスタジアムのマウンドに、楽天の古謝樹(こじゃたつき)は最後まで立ち続けた。
相手を3安打に抑えた、プロ2年目での完封劇。
「ずっと目標にしていた。今季1勝目という意味でも、うれしい」
風が強く吹くことで知られるこの球場で、2年目左腕が投げたのは初めてだった。
この日の風速は5メートルほど。
強すぎる、とは言えない。
太田光がマスク越しに早々と手応えをつかんだ。
「(ロッテの打者が)ストレートにすごくさされている感じがあったので、うまくいけたんじゃないかな」
昨季、ともに一発を浴びたソトやポランコであろうと、小技を仕掛けられようと崩れない。
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安打に死球が絡んで招いた三回1死二、三塁のピンチで心が揺らいだが、開き直る余裕があった。
連続三振で切り抜けた。
昨季5勝(8敗)だったサウスポーは、一冬を越して、何が変わったのか。
太田は大きくうなずいて、分析した。
「どんどん(ストライク)ゾ…