(26日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス6―3福岡ソフトバンクホークス)
ソフトバンクに猛追された九回だった。
マスクをかぶる楽天・堀内謙伍の体を、打者が放り投げたバットが直撃する。痛みをこらえながら、リードに心を砕いた。零封は逃したものの、勝利に導いた。
先発マスクをかぶった試合でチームが勝利する。
その因果関係を説明するのは簡単ではない。
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それでも、堀内は今季先発出場した7試合のすべてを白星につなげてきた。
プロ人生の多くを控えやファームで過ごしてきた28歳は、チャンスをつかもうと必死だ。
「出た時にしっかりアピールして、チームが勝てるように考えてやっている」
静岡高時代は強打の捕手として、その名を球界に響かせた。
甲子園に3季連続で出場し、2015年春の選抜大会ではチーム50年ぶりのベスト8入りに貢献し、古豪復活を印象づける。U―18日本代表にも選ばれ、楽天にはドラフト4位で入団した。
堀内がプロ4年目だった2019年、平石洋介監督のもと、チャンスをつかんだかに見えた。
自己最多の65試合に出場したものの、そのオフに右ひじの手術をしてから、暗転する。
「まだ、1軍レベルじゃない…