楽天の小森航大郎

 (1日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス3―0福岡ソフトバンクホークス)

 楽天の勢いは小森航大郎の足技が生み出した。

  • 楽天の小森がプロ初本塁打 ミスしても仲間の気配りが心に染みた夜

 一回、先頭で右前安打を放つと、次打者の4球目にスタートを切る。ソフトバンクバッテリーに警戒されている中で二盗に成功。1死一、二塁から、フランコのゴロが三遊間を抜けると一気に先制の本塁へ。チームはさらに内野ゴロの間に2点目を奪い、試合を動かした。

 いきなり走ってアウトになれば流れを失いかねない局面だったが、ここ3試合続けて1番に座る22歳の新鋭は、次打者が追い込まれてからの変化球の時にランエンドヒットの形でしかけた。「スリーSが生きたかな」と誇らしげだ。

 「S」とはスタート、スピード、スライディングの盗塁を成功に導く技術のことだ。

 チームは今季、一塁走者の帰塁練習に力を入れている。試合では相手バッテリーの特長を頭に入れ、いつでも帰塁できるという自信を担保に盗塁を積極的にしかけてきた。この日を終えてリーグトップの計54盗塁。盗塁死が五つと抜群の成功率を誇る。

 3日からは、1カード3試合制の短期決戦でぶつかる交流戦が始まる。相手の情報がそう多くない中でも、塩川達也内野守備走塁コーチは「足を意識させて、どれだけ相手投手にプレッシャーをかけ、警戒させられるか」と鼻息が荒い。本塁打数がリーグで最も少なく、得点力も決して高くない昨季の交流戦優勝チームにとって、足技が突破口を開くカギになる。

藤井が好投

楽天は一回、フランコの適時打などで先制し、四回にも得点した。藤井が八回途中まで無失点に抑え、2勝目。ソフトバンクは3連勝ならず。

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