インドネシアで2月、大統領選が投開票された。当選し、10月に新大統領に就任するのは、国防相のプラボウォ氏(72)。国軍出身で、人権侵害を問われた過去を持つ人物だ。現職ジョコ大統領が院政をもくろむ動きもあり、権力を争う2人を、専門家は「二つの太陽」に例える。
「プラボウォ氏の大統領就任を私は許さない」
そう話すのは、首都ジャカルタ郊外に暮らす、パイアン・シアハーンさん(77)だ。次男ムナンダールさん(当時21)は1998年5月、突然、姿を消した。
相次ぐ誘拐、その黒幕は
90年代後半、国軍を主要な…