子どもたちに横断歩道の渡り方を教える大井久瑠美さん(右)=2025年8月18日午後1時50分、三重県松阪市上川町、安田琢典撮影

 信号機がない横断歩道でも、渡ろうとする歩行者を見つけた車の運転者は一時停止する義務がある――。道路交通法のルールだが、三重県は6年前、一時停止する割合が47都道府県で最も低かった。汚名返上に向けた啓発や取り締まりの結果、いま数字は飛躍的に改善しているという。

 8月18日、松阪市の学童保育「とくわアフタークラブ」。約40人の子どもたちに、県交通安全協会の大井久瑠美・交通安全アドバイザーが正しい横断の仕方を伝授した。

 「横断歩道を渡る前に手を上げて」「横断中は周囲を何度も見て」。子どもたちは大井さんの助言に従い、横断歩道に見立てたマットの上を素早く渡っていった。

 同協会は県警の委託を受け、幼稚園や小学校、高齢者団体などで年200回近く交通安全教室を開く。大井さんは「子どもたちには横断の意思をはっきり伝えるよう教える。高齢者には運転時に周囲に気を配るよう呼びかける」と話す。

 信号機のない横断歩道での一時停止状況について、日本自動車連盟(JAF)が2016年から調査している。各都道府県で2カ所ずつ、片側1車線で1分あたりの交通量が3~8台という横断歩道が対象だ。

19年の調査はワーストの3・4%

 19年の調査では、三重県の…

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