(第97回選抜高校野球大会)
横浜は30日、智弁和歌山との決勝に臨む。優勝すれば19年ぶり、神奈川県勢としては2021年の東海大相模以来、4年ぶりとなる。試合は午後0時半に開始予定。
選手たちは29日、兵庫県西宮市の球場で2時間ほどノックや打撃練習をした。接戦を想定し、バントの練習に時間をかけた。
球場には、かつて横浜を春夏通じて5度の優勝に導いた渡辺元智・元監督が訪れた。「良い試合をしてきている。気迫だけは負けるな。安心してやりなさい」と選手を激励した。
横浜は今大会、エース左腕・奥村頼人(3年)と、最速152キロの右腕・織田翔希(2年)を中心にした継投で接戦を勝ち上がってきた。打線は、沖縄尚学との2回戦で3点本塁打を放った主将の阿部葉太(3年)などが中軸を担う。
特に、奥村頼は開幕後に「成長した」と村田浩明監督が太鼓判を押す。
市和歌山との1回戦では、六回から登板し4回を無安打無失点。西日本短大付との準々決勝では六回から登板し、4回を1人の走者も出さない完全投球で抑えた。村田監督は「横浜高校の1番という自覚と責任が備わってきた。甲子園が変えてくれた」。奥村頼が救援で登板し、試合を締める形ができつつある。
決勝を前に心強いのが、織田の復調だ。胃腸炎と爪が割れるトラブルに見舞われ、開幕後しばらくは本調子でなかった。徐々に回復し、準決勝では前回覇者の健大高崎相手に7回無失点と好投した。「自信になった。けがは今はもう大丈夫」。盤石の二枚看板で決勝を迎える。
2回戦に3番手で登板した技巧派右腕・山脇悠陽(3年)にも注目だ。2回2/3を無安打無失点に抑え、沖縄尚学打線に流れを渡さなかった。小山内一平投手コーチは「変化球が武器。奥村頼、織田とは違う形を見つけられた」と評価する。
決勝に向け、主将の阿部葉は「チームは良い状態なので楽しみ。1点勝負になると思うが、全員野球で勝利をもぎ取りたい」と意気込んだ。
横浜の今大会の戦績
準決勝 5―1健大高崎(群馬)
準々決勝 5―1西日本短大付(福岡)
2回戦 8―7沖縄尚学(沖縄)
1回戦 4―2市和歌山(和歌山)