(第97回選抜高校野球大会準々決勝 第9日〈26日〉の見どころ。丸数字は試合順)
①花巻東(岩手)―健大高崎(群馬)
健大高崎は背番号10の左腕、下重賢慎が18回3分の2を投げて4失点と好調だ。エース右腕の石垣元気も2回戦の九回2死から登板し、150キロ台を連発して左脇腹痛からの復調を示した。2人とも球威があるだけに、花巻東は当てに行くようだと振り負ける。持ち味のフルスイングを貫き、4番の古城大翔らに長打が出れば、甲子園の雰囲気は変わる。先行して、相手の焦りを誘いたい。
②横浜(神奈川)―西日本短大付(福岡)
横浜は右腕の織田翔希が、2回戦で指のアクシデントで途中交代した。投手陣の層は厚いが、先発は1、2回戦でリリーフ登板したエース左腕の奥村頼人(らいと)か。西日本短大付は、ここまで2試合を右腕・中野琉碧(るい)が1人で投げた。特に2回戦は157球を投げており、疲労が気がかり。打線は2試合で17得点と好調を維持している。奥村頼のカウントを取りに来る直球をねらい、早めに援護したい。
③広島商―智弁和歌山
広島商は2回戦の東洋大姫路戦で先発した左腕の徳永啓人が7回2失点。左打者が並んだ上位打線に1安打しか許さなかった。智弁和歌山にも2試合連続二塁打の荒井優聖ら左の好打者がいる。抑えるか、とらえるか。「左対左」の出来が勝敗に直結する。智弁和歌山は2試合で15得点と打線が好調。計25安打のうち22本が単打で、引き続きコースに逆らわない打撃を徹底したい。
④聖光学院(福島)―浦和実(埼玉)
両チームともエースがここまでの2試合に登板し、聖光学院の大嶋哲平は計267球、浦和実の石戸颯汰は計180球を投げた。準々決勝は2日連続の試合となる。両左腕の疲労がたまっている分、2番手以降の投手の出来がカギになる。聖光学院は内野陣の好守でピンチをしのぎ、浦和実は好機での集中打と、ここまで持ち味を発揮してきたが、経験値で聖光学院が若干優位か。