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横浜中華街のシンボル、善隣門。掲げた「親仁善隣(隣の国や家と親しくする)」は街の信念でもある=横浜市中区
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現場へ! 変貌する中華街③

 災害級の猛暑にあえいだ今年の夏。横浜中華街(横浜市中区)は8月末、それでも残暑をものともしない観光客らで、東西に貫く中華街大通りをまっすぐ歩くのが難しいほどにぎわっていた。

 談笑する人、目当ての店に急ぐ人。中でも目を引くのは幸せそうに口を動かす、食べ歩きの人たちだ。トレーに入った焼小籠包、紙に包んだ北京ダック、中華まん……どれも食べた後にはゴミが出る。

 「以前はポイ捨てのゴミだらけだった」。振り返るのはブタまんの「江戸清」代表、高橋伸昌さん(65)だ。35年前、先代の父が店頭で売り出し大評判になったふかしたてのブタまんが食べ歩きブームの火付け役。「当時は従業員が包み紙を掃除して回った。だが食べ歩きが街全体に広がった今、そうもいかない」

パンダの絵のゴミ箱

 5月末まで理事長を務めた横浜中華街発展会協同組合で、パンダの絵入りゴミ箱を食べ歩き店に配布したのが、昨年春。路上のゴミはぐんと減ったが、あふれるゴミ処理を嫌い設置しない店も依然としてある。

 「諦めてしまえば街の向上はないから説得を続けるが、容易ではない。考え方も価値観も、それは多様な街だから」

 1859年の横浜開港に伴う…

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