第97回選抜高校野球大会は休養日の29日、決勝に進んだ横浜(神奈川)と智弁和歌山が最後の調整をした。決勝は30日午後0時半から。横浜は19年ぶり4度目、智弁和歌山は31年ぶり2度目の優勝をめざす。
総合力は横浜か
互いに好投手を擁するが、総合力でわずかに横浜が上か。
横浜は大会屈指の巧打者・3番阿部葉太と4番の奥村頼人が走者をかえす得点パターンが確立している。1番奥村凌大が打率4割6分7厘としっかり出塁できていることが大きい。準決勝で大会屈指の右腕、健大高崎の石垣元気を攻略し、勢いもある。
智弁和歌山も各打者が屈強な体格で振りが鋭い。荒井優聖と山田凜虎の5、6番がともに打率5割台と絶好調な上、打線の核となる1番藤田一波、4番福元聖矢が準決勝でいずれも4安打を放つなど、状態を上げている。
最速152キロを誇る横浜の2年生右腕・織田翔希は投げるたびに安定感が増している。ただ、ストライクを取りに行く球が甘く、痛打される場面もあった。これまで通り智弁和歌山は積極的に振って先取点を奪い、相手エース奥村頼人が救援する前にリードしたい。
智弁和歌山のエース渡辺颯人は、140キロ台の直球と大きなカーブを武器に計26回を自責点1。ただ、準決勝で打球が足に当たったのが気がかり。速球派の宮口龍斗も控えるが、渡辺が万全で投げられるかが大きなポイントになる。
横浜の足跡、主将「1点が大事」
阿部葉太主将(横浜) 「智弁和歌山の投手陣は、制球が良い投手も速球派もいて手ごわい。ただ、速い球への免疫はある。打撃陣は例年に比べて小技も使ってきている印象。得点圏に置いてからの1点を取れるかどうかが大事になる」
1回戦 4―2 市和歌山
2回戦 8―7 沖縄尚学
準々決勝 5―1 西日本短大付
準決勝 5―1 健大高崎
智弁和歌山の足跡、主将「ミス恐れず」
山田希翔主将(智弁和歌山) 「横浜の攻撃面の安定感を考えると、奥村頼と織田を打ち崩さないと勝てない。世間では横浜さんの方が強いと思われていると感じる。ミスを恐れずに全力で立ち向かって、予想をひっくり返して勝ちたい」
1回戦 6―0 千葉黎明
2回戦 9―4 エナジックスポーツ
準々決勝 7―0広島商
準決勝 5―0 浦和実
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