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横浜―専大松戸 七回表2死一、二塁、今村の適時打で奥村凌が生還=2025年5月24日午前11時57分、ノーブルホームスタジアム水戸、中嶋周平撮影
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 第77回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)の準決勝2試合が24日、水戸市であり、横浜(神奈川1位)は専大松戸(千葉1位)に3―4で敗れた。春の選抜大会を制し、昨秋の新チーム発足から続いていた公式戦の連勝は27で止まった。東海大相模(神奈川2位)は準々決勝で敗退しており、県勢2校は姿を消した。

 「代打いけるか」「いきます」

 横浜の村田浩明監督の言葉に、阿部葉太主将(3年)は即答した。

 1点を追う九回。公式戦負けなしのチームが追い込まれた場面で、役目が回ってきた。関東大会では初めての打席だ。

 春の選抜大会で本塁打を放つなど優勝に貢献したが、関東大会前に右太ももの裏の肉離れを起こし、出場機会はこれまでなかった。それでも、自ら伝令役を買って出るなど、「チームのためにできることは全部やろうと思っていた」。

 スタンドから「ようた!」と声援が飛ぶ。久々の打席の感覚を確かめるかのように丁寧に土をならし、少し背中をのけぞらせてからゆっくりバットを構えた。

 結果は、1度もバットを振ることなく四球を選んだ。「自分がなんとかしたかったが、まずは塁に出ることが大事だ」。ただ、後が続かなかった。

 エースの奥村頼人投手(3年)も左足の不調を抱え、主力を欠くなかで戦った今大会。阿部主将は「自分や奥村が十分に出られないなか、色んな選手が出て、粘り強く勝ち進んでいて頼もしかった」と振り返る。

 連勝記録は27で途絶えたが、すぐに気持ちを切り替えていた。「泣いている暇はない。夏がすぐに来ると全員に認識させたい」

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