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横浜市役所=2025年1月22日、横浜市中区、良永うめか撮影

 横浜市の4月1日現在の待機児童数が12年ぶりに0人になったことが、関係者への取材でわかった。一方で、特定の園を希望しているなどとして待機児童から除かれる「保留児童」(育休延長希望者を除く)は昨年度比で1割減ったものの、いまだ1511人いる。

 横浜市の待機児童は2010年に1552人と全国最多だったが、施設整備を急ピッチで進め、13年に「ゼロ」に。市はその後も段階的に受け入れ枠を拡大したが、利用ニーズが高まり、待機児童は2~63人で推移し、保留児童も増加傾向にあった。

 そこで市は22年に保留児童のニーズや要因を明らかにするため、申請書類などを分析。保留児童(育休延長希望者を除く)のうち、約7割を1、2歳児が占め、複数の園を希望しても入所できないケースも目立った。

1歳児受け入れ枠を重点拡大

 これらの結果をもとに、特にニーズの高い1歳児の受け入れ枠を重点的に拡大し、昨年度は待機児童5人のうち4人が1歳児だったが、今年度は解消された。

 また、医療的ケア児は申請できる園数が限られる状況があることから、市は23年度から「医療的ケア児サポート保育園」の認定を開始。サポート保育園は昨年度比7園増の27園で、利用児童数(速報値)は26人増の87人で、待機児童(昨年度2人)は解消され、保留児童(同6人)も2人減った。

 待機児童ゼロの背景には、利用申請者数が減少に転じたこともあるとみられる。これまで増加傾向にあったが、今年度は昨年度比182人減の7万4523人だった。

 4月1日現在で540園(昨年度比15園増)が定員割れしている実情もある。市は自宅から遠い園も選択肢にしてもらおうと、保留になった1、2歳児が自宅から距離がある小規模保育施設を利用する場合、駐車場代を助成したり、タクシーの送迎支援をしたりしている。今年度は計36人(昨年度比15人増)が利用するとみられる。

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