【神奈川】横浜市教育委員会は16日、市立南高校・付属中学校(港南区)について、2026年度入学から高校の入学者募集を停止することを決めた。6年間を見通したカリキュラムに再編成する狙いだという。
この日の市教委臨時会で、高校の入学募集停止を盛り込んだ同校の「中高一貫教育推進プラン」が報告された。
南高校は12年4月に付属中学ができ、同市で初の併設型中高一貫校となった。付属中学校は160人、高校は38人を募集し、今年4月1日時点で、付属中学に481人、高校に569人が在籍しているという。
また、「グローバルリーダーの育成」を掲げ、15年度からは5年間、文部科学省から「スーパーグローバルハイスクール」の指定も受けている。
市教委は昨年度、生徒や教職員、保護者へのアンケートなどを通じて、教育目標の達成状況や運営状況を検証した。
その結果、中学と高校とで、入学者選抜の競争率や高校卒業後の進学先に加えて、授業に対する感じ方などに差が生じていることが浮き彫りになっていた。
検証報告書によると、付属中の入学者選抜の倍率は近年4~5倍ほどで推移しているのに対し、高校は15年度に定員割れし、その後も1倍台で推移している。
また、東京大や京都大、国公立大医学部医学科など「難関国公立大」の合格者も、23年度までの6年間で既卒者を含めて計110人に達したが、このうち高校からの入学者は1人だったという。
このため、中高一貫教育推進プランでは、「6年間の一貫した教育課程の再編成、中高の連携強化、グローバルリーダーの育成に向けた取り組みを一層充実させていく必要がある」とした。
今後は6年間を見通したカリキュラムの再編成や探究活動の見直しを図り、キャリア教育や海外プログラムも充実させていくという。
一方、校名や付属中学校の募集定員を変更する予定はないという。
市教委の担当者は「地元の方から愛されてきた学校ということもあり、気持ちをしっかりくみ取っていきたい」と話した。(良永うめか)