序盤を互角の展開に持ち込めれば、終盤にチャンスがやってくる――。半田真一監督が試合前に考えていたこんな思惑が、いきなり崩れてしまった。

 初戦の緊張からか、一回に守備のミスを連発した。一塁ゴロを取り損ねると、盗塁を阻もうと二塁へ投げた球が悪送球に。さらに野選も出て、やすやすと先取点を奪われた。二回以降も先発土井源二郎投手(3年)の制球が定まらず、追加点を許した。

 そんなときに登板したのが、2年の丹羽涼介投手だった。昨秋の近畿大会では土井投手の活躍もあり、登板はわずか1イニング。それでも「いつでも登板する準備はしてきた」。三回の満塁の危機を、三振と内野ゴロに打ち取って切り抜けた。

 昨秋以降、球速アップに努めてきた。スクワットなどで下半身を強化し、150キロ近くまで上げてきた。直球やカーブ、スライダーを織り交ぜ、優勝候補の横浜を相手に8奪三振の活躍を見せた。

 「甲子園のマウンドは投げやすかった。観客の声援も大きくて、気持ちよく投げられた」と113球を振り返った。たった1試合しか出られなかったが、夏までに鍛え直して、再びここに戻ってくるつもりだ。

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