4日に82歳で死去した歌手の橋幸夫さんの通夜が9日、東京都文京区の浄土宗無量山傳通院で営まれた。橋さんとともに昭和歌謡界の「御三家」と呼ばれた舟木一夫さん(80)らが参列した。
通夜は午後6時ごろに開始。橋さんの所属会社「夢グループ」の石田重廣社長があいさつし、「橋さんは『死ぬまで歌うぞ』という言葉を実践した。昭和、平成、令和と三つの時代をヒーローとして率いた、歌謡界のすごい大スターです」と悼んだ。
参列した舟木さんは報道陣の取材に「82歳でしょ、いまどき早すぎる」。橋さんについて「あの個性あふれる独特の声で、歌を丁寧に歌う。それを自分に課していらっしゃった方」と語るとともに、その死を知った時のことを「驚くとか悲しいとかそういう感じではなく、自分の履歴書の中の一行が抜けちゃったみたいな印象を受けた」と振り返った。
橋さんは1960年にデビュー。「潮来笠」や、吉永小百合さんとデュエットした「いつでも夢を」などがヒットし、舟木さん、故・西郷輝彦さんとともに昭和歌謡界の「御三家」と呼ばれた。声の衰えを理由に2023年5月に歌手活動を引退したが、24年に「声がかれるまで歌いたい」と復帰を宣言。今年5月にアルツハイマー型認知症を患っていることを公表した後も活動を続けていた。