阪神甲子園球場のスコアボードに表示する字体「甲子園フォント」が完成し、27日、お披露目式が同球場であった。このフォントは、球場で伝統的に使用していた特徴的な明朝体「甲子園文字」と、フォントメーカーのモリサワ(大阪市)が開発した視認性の高いUD(ユニバーサルデザイン)フォントをベースに制作した。

 「甲子園フォント」の制作は、2024年に球場が開場から100周年を迎えるあたり、記念のプロジェクトとして、球場を所有する阪神電鉄とモリサワが22年から共同で進めてきた。フォントの原型の一つとなった「甲子園文字」は、1934年に完成し、83年まで使用した球場の2代目スコアボードに表示されていた文字や数字のことを指す。

甲子園フォントを表示するスコアボード。先発メンバー表示の上段は、2023年のリーグ優勝決定試合、下段は1985年の開幕試合=2025年2月27日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場

 当時は職人が毛筆に白い塗料をつけ、黒い板に手書きしていた。84年、スコアボードは電光掲示に改修。以降はアナウンス担当の球場職員が、手書き時代を踏襲したドット文字をパソコンで作製する、いわば「手作業」で伝統を受け継いできた。

  • 短期決戦に強い阪神・森下翔太 恩師が語る独特の「森下ゾーン」とは

 モリサワの担当者によると…

共有
Exit mobile version