Smiley face
写真・図版
前面に「SUSTAINABLE TRAIN」と書かれたシールを貼った試験車両(イメージ)=JR西日本提供

 JR西日本は、バイオディーゼル燃料を100%使う列車の走行試験を岩徳線と山陽線の岩国―徳山間で、3日から始める。二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた取り組みの一環で、営業運転では全国初という。

 バイオディーゼル燃料を使った走行試験は2023年7月から24年1月に山陰線で実施。結果が「良好」だったため、来年1月末まで営業車両で使用してエンジンなどの性能への影響を確認し、25年度以降、非電化路線で本格運行を目指す。

 JR西によると、非電化路線の列車は主に軽油を燃料にしている。次世代バイオディーゼル燃料「リニューアブルディーゼル(RD)」は、廃食油など再生可能な原料を水素化精製したもので、軽油と同等の性能という。燃やすとCO2が出るが、植物由来の原料を使っているためCO2排出量はゼロとみなされる。RDメーカー「Neste」(フィンランド)が製造し、伊藤忠エネクスから供給を受ける。

 約5カ月の走行試験でこの燃料を47キロリットル使用し、CO2排出の削減は120トンを見込んでいる。

 JR西の広岡研二・広島支社長と伊藤忠エネクス産業ビジネス部門長の千村裕史執行役員は8月23日、山口市内で記者会見を開いた。広岡支社長は「軽油より次世代バイオディーゼル燃料の方がコストがかかるが、ゼロカーボンに向けて取り組むべき施策だと考えている」と述べた。(向井光真)

共有