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米ワシントンで2025年4月17日、会談に臨むトランプ米大統領(右)とイタリアのメローニ首相=ロイター

 イタリアのメローニ首相が欧州で存在感を増している。ウクライナ侵攻の停戦交渉や関税問題で米欧関係の緊張が続くなか、欧州連合(EU)とトランプ米大統領の橋渡し役を自任。移民規制を欧州全体で厳格化するための動きも見せ始めた。ただ、欧州主要国の首脳との確執が取りざたされ、主導権争いが続く。

 「イタリアの役割は対話を手助けすることだ」。5月18日に開かれたローマ教皇レオ14世の就任ミサ終了から数時間後、メローニ氏はローマの首相府でバンス米副大統領とEUのフォンデアライエン欧州委員長の間に座り、記者団に自信に満ちた表情で述べた。

 第2次トランプ政権の発足後、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる停戦交渉で欧州を軽視する対応や一方的な高関税政策などで、米欧関係は冷え込んできた。メローニ氏はフォンデアライエン氏とバンス氏双方との良好な関係を生かして両者の直接対話を仲介し、関係修復の足がかりを作った形だ。

 メローニ氏は右翼政党を率い…

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