英仏独の欧州3カ国は28日、イランの核開発活動を制限する「イラン核合意」でイランに違反があると国連安全保障理事会に通知し、核合意で解除された国連の過去の対イラン制裁すべてを復活させる手続きを開始した。ロイター通信が報じた。
安保理はこれを受けて30日間の検討期間に入る。この間にイランが米国との間で核開発の制限に関する新たな枠組みに合意するなどしなければ、制裁復活は避けられない情勢だ。イランは強く反発し、対抗措置をとるとしている。
イラン核合意は、イランと米英仏独ロ中の間で2015年に結ばれた枠組みで、イランの核開発制限の見返りに対イラン制裁を緩和した。それまでの国連制裁もすべて解除した。しかしイランは、米国が18年に一方的に核合意から離脱したことへの対抗措置として核合意をはるかに上回る高濃縮ウランの製造を進めた。
核合意では、イランに深刻な合意違反があった場合、制裁を復活させる「スナップバック」という規定が定められている。核合意が今年10月18日に10年の期限を迎えると、発動できなくなるため、英仏独は手続きを開始することを決めた。
英仏独は、米国との協議再開…