ロシアから見える世界

 みなさん、こんにちは。北朝鮮兵がロシアの応援に入ったと伝えられてから、約4カ月が経ちました。ロシア南部クルスク州の戦いに投入されたとみられており、ウクライナ側の捕虜になるケースも出ています。

 戦闘の現場となっているクルスク州に対して、ウクライナ軍は昨年8月に電撃的に越境攻撃し、一部を占領しています。北朝鮮兵は、ウクライナ側との戦いで、すでに約4千人が死傷したといいます。その後、前線から姿を消したようで、今後の動向に注目です。

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  • 北朝鮮兵、一部撤退か ウクライナ軍が明らかに 今後増派の可能性も

 北朝鮮兵参戦の前触れとなったのが、昨年6月にプーチン大統領が平壌を訪問した際に金正恩(キム・ジョンウン)総書記と署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」です。この条約の第4条は、ロシアか北朝鮮の一方が他国から武力攻撃を受けて戦争状態になった場合、もう一方が「遅滞なく、保有するすべての手段で、軍事的およびその他の援助を提供する」ことが定められています。

 ウクライナによるクルスク州への攻撃とその後の戦闘を「他国からの武力攻撃による戦争状態」とみなすならば、北朝鮮の参戦が可能だと解釈できる条文です。

ロシア南西部クルスク州の地図

「集団安全保障条約機構」(CSTO)の存在

 ところで、ロシアが武力攻撃…

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