全日本合唱コンクールの高校部門に向け、練習する武庫川女子のコーラス部=2024年10月16日、兵庫県西宮市枝川町、大蔦幸撮影

 丸く、明るく、高く澄み、聴く人に詩の意味までがはっきりと伝わる。それが、時を経ても変わらない「武庫女の声」だという。

 創部84年の武庫川女子(兵庫)のコーラス部は26日、31大会連続で立ち続ける全日本合唱コンクール高校部門の舞台で、その声を響かせる。

「声」は世界に一つだけの楽器

 全国大会が近づく16日、校内での発声練習では3年生が仲間の声を入念に聴いていた。

 一節を終えるたびに指摘していく。

 「強い声を出そうとして、声がつぶれています」

 「『ラ』の声が暗く聞こえます」

 自分たちも、先輩からそんな指摘をもらいながら、「武庫女の声」の出し方や呼吸法、それに合う響きなどを学んできた。

 先輩が後輩一人ひとりを丁寧に指導する時間が練習の柱だが、上谷真咲さん(3年)には、入部したころに受けた印象的な「教え」がある。

 高音域の声が浮ついてしまう…

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