アニメやドラマの主題歌を多数手がけ、海外にも活動の場を広げるシンガー・ソングライターのAnlyさん（27）は、沖縄県・伊江島の出身です。つらい記憶を思い出してほしくなくて、家族には沖縄戦の話を聞けなかったそうですが、ある曲に沖縄戦への思いを託してもいます。6月23日は沖縄慰霊の日。朝日新聞の取材に思いを語ってくれました。（聞き手・国吉美香）
- 【そもそも解説】「ありったけの地獄」沖縄戦とは何だったのか
沖縄の離島、伊江島で生まれ育ちました。6月になると、小学校の廊下に戦時中のショッキングな写真が展示されたり、平和学習で住民が逃げて亡くなったガマ（自然洞窟）に入ったりしました。沖縄戦は「怖い」という印象です。つらい記憶を思い出してほしくなくて、家族には沖縄戦の話を聞いたことはありません。ただ、戦後世代として沖縄戦のことを知らなくてはと思っています。
高校進学で移った那覇で出会い、「おばあちゃん」と慕うようになった90代の女性がいます。今の事務所の社長のお母さんなんですが、よく家に行って、音楽制作の傍ら、ご飯を食べたりおしゃべりしたり。一緒に過ごす中で、戦争のニュースが流れたときや、ふとしたときに、沖縄戦の話をしてくれました。
「私が作らなくてもいいよな」
友人が兵士の看護などのため…
