Smiley face
写真・図版
摘発されたホストクラブが入るビル=2024年2月20日午後11時56分、東京都新宿区歌舞伎町2丁目、御船紗子撮影
  • 写真・図版

 7月中旬の週末、午前0時前の東京・新宿歌舞伎町。大久保公園の周辺には、10人ほどの若い女性が間隔を空けて並んでいた。手元のスマホを見つめる女性に、道行く男性が話しかける。交渉が成立すれば、近くのホテルに一緒に入る。

 警視庁が昨年、大久保公園周辺で摘発した売春目的の客待ち女性は、140人に上った。女性らの約4割が、売春の理由について「ホストクラブに通うため」と説明したという。

 警視庁が摘発した女性らに聞いて浮かんだ実情はこうだ。

悪質ホストクラブ問題

 若い女性に高額な売掛金を負わせ、売春などを強いる悪質なホストクラブの問題で、警察庁は31日、対策を協議する有識者らの検討会を東京都内で開いた。風俗営業法(風営法)の改正も視野に議論を進める。ホストクラブが集中する東京・新宿歌舞伎町で実情を見た。

 歌舞伎町で男性に声をかけられ、デートを重ねる。その中で、「実は自分はホスト」と打ち明けられる。店に通ううちに支払いができなくなり、「売掛金」という名のツケがたまっていく――。 この売掛金を巡り、ホスト側が売春をあっせんする構図が歌舞伎町で浮かんでいる。

 警視庁は7月、歌舞伎町のホストクラブのホスト2人とスカウトを職業安定法違反容疑で逮捕した。容疑は昨年2~4月、ホストクラブの女性客(当時19)を大分県別府市のソープランドで売春させたというものだ。

 警視庁によると、売掛金が払えない女性をホストがスカウトに紹介し、女性はソープランドに派遣されていた。スカウトはホストから「少なくとも30人の女性のあっせんを受けた」と供述。紹介を受けたとみられる女性の中には、店の別のホストの客もいたという。警視庁は、ホストが売掛金を抱えた女性客をスカウトに紹介していたとみている。

 こうした売春あっせんは国内にとどまらず、海外に派遣されている実態も明らかになった。

 警視庁は4月、日本人女性を…

共有