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バングラデシュ東部コックスバザールで2021年2月、難民キャンプ内を歩くロヒンギャの人々=AP。バングラデシュには現在、100万人のロヒンギャが住んでいると言われる
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 ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャが戦闘に巻きこまれ、命を落としたり、家を追われたりする人が急増している。難民危機再発の可能性が高まる中、国際社会が相次ぎ懸念を表明。戦闘の当事者である国軍と少数民族武装勢力に自制を求めている。

 「暴力の即時停止と区別のない市民の保護を求める」。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24日、国軍とラカイン族のアラカン軍(AA)に向けて声明を出した。米英やカナダ、韓国、欧州連合(EU)なども同日、「全ての残虐行為に説明責任が果たされなければならない」との共同声明を発表した。

 背景にあるのは、ミャンマー西部ラカイン州の戦闘激化だ。昨秋以降、同国で不法移民と目され、脆弱(ぜいじゃく)な立場のロヒンギャが両勢力に徴用され、「人間の盾」にされているとの報告が相次いできた。

 国軍が数千人のロヒンギャを徴兵したとの情報がある一方で、AAによるロヒンギャ殺害や略奪の疑いも目立ってきた。4月、複数のロヒンギャの遺体を映した動画がSNSで拡散され、独立系メディアはAAの関与を指摘した。

 さらに今月18日、ロヒンギ…

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