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食事提供には多くの人が並び、弁当などを受け取っていた=2024年12月31日午後6時12分、東京・池袋、長島一浩撮影
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 物価高が続くなか、NPO法人「TENOHASI(てのはし)」(東京都)が31日、豊島区の東池袋中央公園で、仕事や住まいを失うなどした人たちに向け、大みそかの食事を無償で提供した。午後6時からアジフライ弁当を配ると、355人が並んだ。

  • 77歳、初めて並んだ食料配布の列 「まさか自分が…自業自得?」

 「食料品の値上がりで、毎日の生活が本当に苦しい。無料提供は1食でもありがたい」。新宿区の男性(72)は、30年以上とび職をしてきたが、両ひざに人工関節を入れた数年前から働けなくなり、月7万円ほどの生活保護費で暮らす。物価高の影響でこれまでの3分の2程度しかスーパーで食料品を買えなくなった。「好きなみかんが、1袋600円では買えない。楽しみは週1回のお風呂だけ」

 年金だけでは暮らせず約2年前から生活保護を受ける荒川区の女性(68)は、灯油の値上がりで、今年から石油ストーブを使うのをやめたという。

 てのはしの清野賢司事務局長は「物価高が生活困窮者をさらに苦しめている。食事提供に並ぶ人は昨年より増えており、いつ収まるのか見通せない」と話す。てのはしは同公園で、2日午後5時から食料を、4日午前10時半から衣類を配布する。2日は医療相談も行う。

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