歯みがきする子ども=土谷昌広さん提供

 歯みがきをよくする子どもは便秘にもなりにくいらしい。そんな研究結果を東北大と東北福祉大のチームが約8万組の母子のデータからとりまとめ、科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。歯みがきを毎日はしない(1日1回未満)幼児は、1日2回以上の歯みがきする幼児に比べ、慢性的な便秘になるリスクが6割増加していた。

 過敏性腸疾患など消化器系の病気を持つ患者は重い歯周炎があるなど、口と大腸は消化管でつながっていて、口の中にすむ細菌と腸内細菌の関連が指摘されている。食事中のそしゃくやガムをかむことで口の中に刺激を与えると、腸の運動を促して排便が改善するとされ、臨床応用もされている。脊髄(せきずい)損傷の患者は便秘になりやすいとされるが、歯みがきで重い便秘の症状が大幅に改善するという報告もある。

 そこで、環境省の子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)のデータを使い、全国の8万3360人の幼児を対象に、国際的な質問票を使って調べた3歳と4歳時点の便秘の有無と、2歳と4歳時点の毎日の歯みがき回数との関連をみた。

 全体では3歳時点で1万123人、4歳時点で8820人に便秘がみられ、3歳と4歳の両方ともは3659人。1日2回歯みがきする幼児は2歳時点で48%、4歳時点では76%。母親の年齢や喫煙・飲酒習慣、幼児の性別、肥満度、病歴、毎日の食事頻度などの影響を除く手法で分析した。

 その結果、3歳時に便秘とな…

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