コスズさんからアリさんへの8通目

 浦上天主堂に今月、米国のカトリック信者らの支援で復元された鐘が届きました。1945年8月9日の長崎原爆で失われていたものです。爆心地から約500メートルの近い距離にあった教会は原爆で倒壊し、多くのカトリック信徒らが犠牲になりました。

米国から到着した、復元された浦上天主堂の鐘。右は中村倫明・カトリック長崎大司教、左は山村憲一・カトリック浦上教会主任司祭=2025年5月15日、長崎市、日吉健吾撮影

 キリスト教は16世紀に伝来しましたが、17世紀には江戸幕府に禁止されました。長崎には弾圧や迫害をうけても、ひそ密かに信仰を継承し、約250年も守り抜いてきた「潜伏キリシタン」の歴史があります。大規模な弾圧「浦上四番崩れ」のあと、キリスト教が解禁され、苦難を乗り越えて信徒たちが建てたのが浦上天主堂でした。

  • 【アリさんからコスズさんへ】長崎のカトリックへの原爆投下をどう考えるのか

 アリは、2015年にフルブライト奨学生として来日し、ナショナル・ジオグラフィックで「長崎の隠れたキリスト教徒は迫害と原爆を生き延びる」と、長崎とキリスト教との深いかかわりを記事に書いていますね。

 祖父は06年秋、原爆で破壊…

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