東京電力福島第一原発の事故で使われなくなった小学校などに勝手に立ち入り、撮影したとみられる男たちの動画が、SNS上で物議を醸している。福島県警は建造物侵入事件として捜査を始めた。模倣犯を生まないように警戒を強めている。
同原発が立地する双葉町は、事故により約7千人の町民が避難を余儀なくされた。2020年から避難指示の解除が始まり、いまは町の中心部などの立ち入りは自由だ。ただ、100人ほどしか戻ってきていないため、ひとの気配は少ない。
町役場に不審な動画についての通報があったのは今年7月だった。SNS上には、ランドセルや学用品が残されたままの小学校の校舎内を、黄色い防護服姿の外国人の男らしい人物が歩き回る映像があった。複数人で侵入したとみられ、男らはポーズを取ったり、図書室の本や教室のコンピューターなどをさわったりしていた。
旧町役場内や民家にも侵入、物色も 町「許されない行為」
撮影場所は同町立の双葉南小学校の旧校舎であると判明した。「震災遺構」化が検討されている。別の動画では、旧町役場の応接室や町議会議長室に侵入していた。どちらも避難指示がなくなった区域にあるが、建物自体は立ち入り禁止だ。
町は7月16日に県警に通報…