ファッション業界で働く人は服が好きで、たくさん持っていて当たり前。そんなイメージを覆す2人がいる。ファッションエディターの昼田祥子(さちこ)さんとスタイリストの小山田早織さんだ。服好きが服を捨てて気づいたこととは。(松沢奈々子)
新作以外はありえない。週に2回も同じ服を着るなどもってのほか。そう思い込んでいたかつての自分を「しかってやりたい」とファッションエディターの昼田さんは笑う。
おしゃれな母の影響もあり、小さいころから着るものへのこだわりは強かった。「3歳の時、保育園に赤いズボンをはいて通ったのが服好きの原点」。「服が死ぬほど好き」だから大学在学中からファッション誌の編集部に出入りし、出版社勤務を経て独立。ファッションエディター歴は23年目になる。「服を持っている人=おしゃれな人なのだと、読者に服を買え買え、と言ってきた人間です」
そんな価値観が180度変わったのが、2016年。義父から中古品を売買できるフリマアプリの面白さを聞き、はまった。ネイル、靴を大量に手放したのち、1000枚もの服に着手。悩みながら3年かけて売り続け、50枚に減らした。
「1900円で失敗する人は、19万円でも失敗する」
「最初は手放したら自分の何…