マレーシアの首都クアラルンプールで8年前に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件について、今も自責の念を抱いている男性がいる。クアラルンプールで正男氏が10年近く通い続けた韓国料理店の社長だ。殺害される数カ月前に亡命を勧めたが、正男氏は応じなかったという。
「かわいそうな人だった。生きていてくれたら、どんなにすばらしいだろうか」。今月上旬、韓国料理店「高麗園」社長のアレックス・ファンさん(73)は金氏についてそう振り返った。
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ファンさんは40年ほど前に韓国からマレーシアに移り住み、クアラルンプールで韓国料理店を始めた。金氏は2007年ごろから店に通うようになった。「彼は牛カルビ、冷麺、イカ炒め、それに焼酎が好きだった」。妻を連れて来店することが多かったという。
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