戦争被害や戦時中の生活を伝える品々を展示する「平和祈念資料展」が8、9日の2日間、福岡県教育会館(福岡市東区馬出4丁目)で開かれる。今年から、亡くなった母が大切に保管していた一通の手紙が新たに並ぶ。
須恵町の西千鶴子さん(77)は幼い頃、母・マサモさんから手紙を見せてもらった。
1945年2月、激戦地・硫黄島(東京都)に出征していたマサモさんの弟、早野實(みのる)さん(当時25)から届いたものだ。
古びて破れた封筒の中にある2枚の便箋(びんせん)には、きれいな文字が並ぶ。
『新春も早二月と相成りましたが、姉上には御変りも御座いませんか 私事、お陰様で至極頑健にて軍務に励んで居ります』
實さんは出兵前、熊本の電話局で働いていた。戦争が始まり徴兵を受け、訓練を経て硫黄島に赴いた。現地でも、通信関連の任務についたという。
『母上、逝去との事、誠に突然にて驚き居る次第で御座います 母上の遠眠は是天寿と諦め、決して取乱すが如き事は御座いません故、ご安心ください』
母親が亡くなった知らせを受…