東京都品川区の住宅で23日、母子4人の遺体が見つかった事件で、母(37)と次女(3)は住宅から出火する前に死亡し、長女(6)と長男(2)は出火後に死亡したと警視庁がみていることが捜査関係者への取材で分かった。警視庁は事件の経緯を調べる。
警視庁によると、母親の高波冬美さん、長女の後藤鈴さん、次女の後藤玲ちゃん、長男の後藤信ちゃんは寝室で倒れているのが見つかった。住宅は一部が焼け、寝室隣のリビングが出火元という。通報は23日午後1時半ごろで、同2時ごろに鎮火した。
遺体にはいずれも複数の刺し傷などがあり、死因は冬美さんと玲ちゃんが失血死で、鈴さんと信ちゃんは急性一酸化炭素中毒だった。冬美さんら2人は出火時には既に死亡しており、鈴さんら2人は22日夜以降に死亡した可能性が高いという。
高波さんの40代の元夫も寝室で倒れていた。煙を吸うなどして入院し、命に別条はないという。捜査関係者によると、22日夜に元夫の姿が付近の防犯カメラ映像で確認された。出火はこの後とみられる。室内は窓や扉が施錠されており、凶器とみられる包丁が押収された。捜査1課は元夫の回復を待って話を聞く方針。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)