発生から6日が過ぎても延焼が止まらない岩手県大船渡市の山林火災。避難所の1つの三陸公民館には、火災発生日のちょうど1年前に、母を病気で亡くした佐々木優輝さん(18)が、家族と共に身を寄せている。佐々木さんは1日に県立大船渡東高校を卒業したが、在学中は太鼓部に所属。亡き母や地域の人たちの期待に応えるため、23日に大分で開かれる全国大会で最後の演奏に挑む。
「明るく楽しく演奏したい。それが母が一番望んでいたことだから」。佐々木さんは3日午後、避難住民らでごったがえす三陸公民館の廊下で、全国大会への意気込みを語った。
火災が発生した2月26日は、母・弓美子さん(享年43)の一周忌だった。夜には家族で好きなデザートを食べながら、母との思い出を振り返る予定だった。
しかし、昼過ぎに自宅のある綾里地区の周辺で火災が起きていると聞き、大船渡市中心部で仕事中だった父・一幸さん(44)と一緒に車で自宅に向かった。
自宅に戻ると、近くの山から…