シングルマザー一家のお菓子パーティー。物価高で品数が減ってきているという=女性提供

 物価高が、収入の低い家庭に重くのしかかっている。記者は参院選の公示直前、その典型とも言えるシングルマザー一家を岩手県郊外に訪ねた。身を寄せ合いながら、懸命に家計をやりくりする一家4人。貧困が負の連鎖を生んでいる実態もみえてきた。

 この女性(46)宅では週末の夜、「お菓子パーティー」を開く。大学生の長女(19)、高校生の長男(18)、次女(16)とで「1週間がんばったね」とねぎらい合う。

 外食は高くて行けないので、売れ残りのケーキや、てごろなスナック菓子などを買い集めて食べる、ささやかな楽しみだ。

 ところが最近、テーブルに並ぶお菓子の数が減ってきた。「アイスが100円で買えなくなった。値段がどんどん上がって」と女性は言う。

 女性の月収は、給料や児童扶養手当など約25万。1カ月の食費はこの1年で約2万円増えて約8万円。育ち盛りもいて「量は減らせない」ので、値段の安いモヤシや小松菜、シメジを買って料理のかさ増しをする。米は「精米し過ぎるともったいない」ので、玄米で買い七分づきで食べる。野菜は近所の農家の収穫を手伝い、分けてもらっている。

 食料を分けてくれた近くの子…

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