定説は時に覆される。そこに至るまでの過程は様々だ。
北海道大や京都大などの研究者4人のチームは、160人の市民の力を借りて、日本固有の毒蛇ヤマカガシの驚くほど多様な体色パターンを明らかにした。
実はこのテーマは、昔から生き物好きの心を引きつけていたようだ。「千石先生」として知られる、故千石正一さんも、半世紀ほど前に千葉県のヤマカガシに関する報告で体色について興味深そうに記録している。
ヤマカガシの体色は従来、大まかに6パターンしかないとされていた。ただ、どうもそのパターンには当てはまらないような個体の存在もささやかれていた。疑問を持ったチームは、体色パターンの真実の解明に挑んだ。
「市民の協力にこんなにパワーが」
とはいうものの、ヤマカガシ…