演説を撮影してSNSにアップする陣営スタッフ=2025年7月4日、東京都(画像の一部を加工しています)

 20日投開票の参院選で争われる125議席のうち、比例区は4割の50議席を占める。全国を対象に得票を競う比例区は、時々の党勢が如実に表れる。既成政党はこれまで業界団体・労働組合などの組織票や著名人に頼りがちだったが、今回はそれだけでは乗り越えられない逆風が吹いている。

 朝日新聞の序盤情勢調査で、自民、公明両党が非改選を含めた定数の過半数(125議席)を獲得するかは微妙だ。改選数1の「1人区」での不振に加え、比例区でも苦戦している。

 自民は比例区で改選19議席を下回る見通しで、12議席前後の模様。過去の最少獲得議席は、野党時代の2010年の12議席だった。公明も改選7議席を割り込む可能性がある。

 都道府県単位の選挙区では候補者本人や地域事情が影響するのに対し、比例区は全国的なトレンドがより反映される。「政治とカネ」の問題をめぐる与党への不信感は根強い。公明幹部は、さらなるマイナス要素もあると指摘する。「物価高で生活が苦しい状況が続くと、有権者は新しい政党に変化を期待するマインドになる。既成政党にとっては厳しい選挙だ」

 危機感を募らせるのは主な野…

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