ウクライナ西部の小さな町。保安上の理由のため、当局から具体的な町の名前を記さないように念を押された。かつて刑務所だった施設の分厚い鉄の扉や鉄格子をいくつもくぐると、100人ほどのロシア兵捕虜が昼食のために整列していた。
「ランチ、ありがとうございます」
食堂では、ボリュームのある食事が提供され、テーブルごとに捕虜の男たちが、たどたどしいウクライナ語で声を上げた。
アフリカ系やアラブ系、アジア系の姿が少なくない。さまざまな理由から母国を後にしてロシアに渡り、「移民兵」として戦った男たちだ。彼らはなぜロシア軍に加わり、戦場に向かったのか。
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体格のいいアフリカ系の男性に声をかけた。
マノーとニックネームを名乗った42歳の男性はアフリカ西部シエラレオネの出身。15年以上、シエラレオネ軍の兵士だったという。
「私はだまされた」
そう繰り返し言った…