「もう被害はない、という認識なのか」。水俣病犠牲者慰霊式前日の4月30日にあった懇談で、患者・被害者団体が、水俣病の調査をめぐって環境省側の見解をただすやり取りがあった。浅尾慶一郎環境相は「被害を前提に調査を行うわけではない」と答えるなど、残された被害の把握に後ろ向きな姿勢をみせた。
- 水俣病「今も被害ある前提でない」→「言葉過ぎた」 環境省担当室長
環境省は2009年施行の水俣病被害者救済法(特措法)が実施を求めた「健康調査」に今年度から着手する。だが規模が限られ、水俣病が疑われても本人に伝えない方針。団体側が長年求めている、被害の広がりを把握し、救済につなげる調査とは隔たりがある。
朝日新聞が3月末、健康調査…