全国有数のマグロの水揚げ港として知られる塩釜港がある宮城県塩釜市魚市場で4日朝、マグロの初売りがあった。市場には水揚げされたばかりのクロマグロが並び、競り人の威勢のよい声が飛び交った。
競りに先立ち、市場では「初売りの儀」が開かれ、水産関係者ら約50人が今年1年の安全と大漁を祈願した。
すしや刺し身の高級ネタとして知られるクロマグロは、岩手県沖で3隻のはえ縄漁船が釣り上げ、水揚げ量は計50本、5.8トンに上った。
一方、例年この時期にとれるメバチマグロやビンチョウマグロは、海水温の上昇などの影響で漁場が南下したことで、この日は水揚げがなかった。
同市場の昨年の水揚げ量は1万932トン(前年比2.1%増)で、水揚げ高は約106億7千万円(同6.4%減)。100億円超えは2年連続という。
同市場では、水揚げ高を増やすため、マグロに加え、イワシやサバなどの「青物」を事業の柱にしていく方針だ。
市場を運営する「みなと塩釜魚市場」の志賀直哉社長(77)は「今年もマグロの水揚げ1万トン、100億円をめざしつつ、イワシやサバの水揚げも増やしていきたい」と目標を語った。