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 高知市の小学4年の男子児童(9)が水泳授業で溺れて死亡した事故から8月5日で1カ月となった。

 第三者委員会が設置され原因調査が本格化するが、SNS上では「水泳の授業は時代に合わない」といった意見も出ている。

 どう考えればよいのか。東日本大震災の被災地で中学校教諭の経験があり、水泳授業に詳しい制野俊弘・和光大教授(体育科教育学)に話を聞いた。

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 《児童が通っていた市立長浜小学校のプールは設備が故障し、水泳授業は近くの南海中学校のプールを借りて行われた。水深は長浜小プールよりも10センチ以上深い114~132・5センチ。男児の身長は110センチ台だった》

 驚いたことが大きく二つありました。

 一つはプールの水深です。呼吸が苦しくなったら、すぐ立てる状態にするというのが水泳授業の基本です。大学の水泳授業でも、身長の低い学生のためにすのこなど水深調整台を沈めて使います。

 何の補助策もないまま、身長よりも深いプールで授業をしたのは、あり得ない判断です。

事故現場の中学は「紫雲丸事故」と関わり深く

 もう一つは、今回の事故現場が、日本で水泳授業が普及するきっかけになった「紫雲(しうん)丸事故」と関わりが深い学校だったということです。

 《紫雲丸事故は1955年…

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